会場へのデモ、市民サミット、香港人の抗議
まず6月23日、「G20大阪NO! アクション・ウィーク実行委員会」が、御堂筋でデモを行った。新町北公園には約250人が集まった。開会にあたり、福岡空港の入管が、デモに参加予定だったイ・キョンジャさんを入国拒否・強制送還したことを抗議した。イさんは入国審査で別室に連れていかれ、職員が「G20反対集会やデモに参加するのではないか」と執拗な尋問を続け、「入国カードに記入された『観光』の来日目的の立証がない」という理由で不許可にされた。 これではほとんどの海外入国者は、デモや集会に参加することができなくなる。主催者は「国際連帯運動に対する前代未聞の弾圧であり、福岡空港入管の行為に強く抗議し、責任者の謝罪を求める」と声をあげた。 G20に反対する若者たちや関西の反戦団体から発言が続いた後、海外メッセージが読まれた。ボリビア元国連大使のパブロ・ソロンさんは、G20では気候変動の対策はできないことを訴えた。 「G20は、有限の惑星で無限の成長を追求し続けています。私たちが必要としているのは、彼らが語るまやかしの『調和』ではなく、地球コミュニティのバランスを回復するための本当の道筋です」。 また、反グローバリズム運動の代表的な活動家であるフィリピンのウォルデン・ベローさんは、「米国の6大銀行が保有する現金は、2008年の金融危機以前の3倍です。機関投資家の共同体は、通貨や証券の変動から短期的利益をあげる機会を求め続け、世界の債務水準を325兆ドルまで押し上げました。世界GDPの3倍以上です。G20は巨大金融機関の利益に支配されてきました。グローバル金融システムの改革が必要です。世界の財源を貧困・不平等・気候変動との闘いに充てる、民衆ための金融システムを作る必要があります」と、G20を批判した。 集会は「犠牲を生み出してきた側の諸国が大半を占める会議に、何も期待することはできません」と宣言し、「G20反対!安倍はやめろ!トランプ来るな!」と繁華街をデモ行進した。 6月25、26日はPLP会館で「C20大阪市民サミット」が行われ、NGO・NPOなど全国から総計500人以上が集まった。 国際会議では、対抗デモと同時に提言を含めた市民サミットも行われるのが通例だ。G20に対して提言する経済界・科学者などの民間団体のうち、市民団体の総称が「C20」で、会場内での会議にも参加する。気候変動、ジェンダー、LGBTQI、教育、子どもの権利、地域社会、インフラ、万博問題、移住労働者、核兵器廃絶、少数民族の人権(特に中国のチベット弾圧)などに取り組む市民団体が実に多彩な分科会を行い、最後に全体会で結果を報告した。 世界中で市民社会が狭められているという危機感も共有され、少数民族問題の団体も、当初は外務省に会場入場を断られたという。 「私たちの日々の活動からの声を首脳会議や世界に発信します」と全体宣言し、次回開催国のサウジアラビアに「C20」を引き継いでいくことを確認した。 G20初日の6月28日は、23日のデモ実行委が会場に近い大阪港の天保山公園で集会とデモを行い、全国から約300人が集まった。「インドネシア環境フォーラム」のサウンさんは、日本企業が石炭火力発電所を自国に建設計画していることに抗議した。 また、香港の「逃亡犯条例改正」に反対する人々も多数来日し、「世界のキリスト者の会」のルイさんが「G20で香港の弾圧を取り上げるべきだ」と訴えた。デモ行進がG20会場対岸の大阪湾に到着した後、彼は「私たちが会場に近づけないのはおかしい」と、海に飛び込んで抗議。参加者も「トランプはイラン攻撃をやめろ!」「各国の極右・独裁政権は弾圧をやめろ!」とコールし続けた。 ルイさんたちや在日香港留学生らは、大阪市内各地でデモや集会を続けた。 なお、集会で発言を予定していた韓国「平和オモニの会」のメンバー7人が、今度は関西空港で拘束され、23日と全く同じ尋問や理由で強制帰国させられた。主催者は「USJに行くことを楽しみにしていた中学生も含む7人への非人道的な扱いや、私たちからの問い合わせや食料等の便宜提供の申入れにも一切応じなかった関空入管の不誠実で傲慢な態度に抗議する。政府は特に韓国の人々を狙っている」と非難した。 今後、主催者は大阪入管への抗議申し入れを予定している。
まず6月23日、「G20大阪NO! アクション・ウィーク実行委員会」が、御堂筋でデモを行った。新町北公園には約250人が集まった。開会にあたり、福岡空港の入管が、デモに参加予定だったイ・キョンジャさんを入国拒否・強制送還したことを抗議した。イさんは入国審査で別室に連れていかれ、職員が「G20反対集会やデモに参加するのではないか」と執拗な尋問を続け、「入国カードに記入された『観光』の来日目的の立証がない」という理由で不許可にされた。 これではほとんどの海外入国者は、デモや集会に参加することができなくなる。主催者は「国際連帯運動に対する前代未聞の弾圧であり、福岡空港入管の行為に強く抗議し、責任者の謝罪を求める」と声をあげた。
G20に反対する若者たちや関西の反戦団体から発言が続いた後、海外メッセージが読まれた。ボリビア元国連大使のパブロ・ソロンさんは、G20では気候変動の対策はできないことを訴えた。
「G20は、有限の惑星で無限の成長を追求し続けています。私たちが必要としているのは、彼らが語るまやかしの『調和』ではなく、地球コミュニティのバランスを回復するための本当の道筋です」。
また、反グローバリズム運動の代表的な活動家であるフィリピンのウォルデン・ベローさんは、「米国の6大銀行が保有する現金は、2008年の金融危機以前の3倍です。機関投資家の共同体は、通貨や証券の変動から短期的利益をあげる機会を求め続け、世界の債務水準を325兆ドルまで押し上げました。世界GDPの3倍以上です。G20は巨大金融機関の利益に支配されてきました。グローバル金融システムの改革が必要です。世界の財源を貧困・不平等・気候変動との闘いに充てる、民衆ための金融システムを作る必要があります」と、G20を批判した。
集会は「犠牲を生み出してきた側の諸国が大半を占める会議に、何も期待することはできません」と宣言し、「G20反対!安倍はやめろ!トランプ来るな!」と繁華街をデモ行進した。
市民サミット「C20」NGO結集 韓国の運動の入国拒否にも怒り
6月25、26日はPLP会館で「C20大阪市民サミット」が行われ、NGO・NPOなど全国から総計500人以上が集まった。
国際会議では、対抗デモと同時に提言を含めた市民サミットも行われるのが通例だ。G20に対して提言する経済界・科学者などの民間団体のうち、市民団体の総称が「C20」で、会場内での会議にも参加する。気候変動、ジェンダー、LGBTQI、教育、子どもの権利、地域社会、インフラ、万博問題、移住労働者、核兵器廃絶、少数民族の人権(特に中国のチベット弾圧)などに取り組む市民団体が実に多彩な分科会を行い、最後に全体会で結果を報告した。
世界中で市民社会が狭められているという危機感も共有され、少数民族問題の団体も、当初は外務省に会場入場を断られたという。 「私たちの日々の活動からの声を首脳会議や世界に発信します」と全体宣言し、次回開催国のサウジアラビアに「C20」を引き継いでいくことを確認した。
G20初日の6月28日は、23日のデモ実行委が会場に近い大阪港の天保山公園で集会とデモを行い、全国から約300人が集まった。「インドネシア環境フォーラム」のサウンさんは、日本企業が石炭火力発電所を自国に建設計画していることに抗議した。
また、香港の「逃亡犯条例改正」に反対する人々も多数来日し、「世界のキリスト者の会」のルイさんが「G20で香港の弾圧を取り上げるべきだ」と訴えた。デモ行進がG20会場対岸の大阪湾に到着した後、彼は「私たちが会場に近づけないのはおかしい」と、海に飛び込んで抗議。参加者も「トランプはイラン攻撃をやめろ!」「各国の極右・独裁政権は弾圧をやめろ!」とコールし続けた。
ルイさんたちや在日香港留学生らは、大阪市内各地でデモや集会を続けた。
なお、集会で発言を予定していた韓国「平和オモニの会」のメンバー7人が、今度は関西空港で拘束され、23日と全く同じ尋問や理由で強制帰国させられた。主催者は「USJに行くことを楽しみにしていた中学生も含む7人への非人道的な扱いや、私たちからの問い合わせや食料等の便宜提供の申入れにも一切応じなかった関空入管の不誠実で傲慢な態度に抗議する。政府は特に韓国の人々を狙っている」と非難した。
今後、主催者は大阪入管への抗議申し入れを予定している。